〈作曲におけるBPMという概念〉
作曲を始めるに当たって、一番最初に決めるであろう事は大体のBPMではないでしょうか。MIDIベースで作曲する上でBPMの設定は後にできあがる曲の「形」を左右するとも言えます。
何故ならBPMによって使うことになるビート感が変わってしまうからです。ここでは実用的なBPMとして70〜180(かなり遅い〜かなり早い)という幅を挙げておきます。
実際に、BPM80を選ぶのか倍速のBPM160を選ぶのかについてを考えてみます。
使いたいビート感(テンポ感)で決めたら良いのは当たり前ですが、、、
まずコード進行する曲なら大体1小節か半小節ごとにルートが変わっていく事が多いです。そして1小節は4分音符が4つ分になる(当たり前ですが)。そして多くの曲は16分のビート感までがメインで使われて作られています。
この前提で、まずBPMを80に設定していたとします。そこにスピード感が出るフレーズ感がほしくて16分のフレーズを入れたがもっとスピード感が欲しい場合、32分を使う選択肢しか無くなってしまいます。32分で作ったフレーズというのは1小節単位で比べた時にかなり速く、メロディらしさは感じられず、あまり実用的とは言えません。
しかしBPMを倍の160に選択しておけば先程の32分のスピード感(実時間)は16分で表現できる事になります。
つまり自分が表現したい音の短さ(長さ)が実時間でどれくらいなのかを把握する事が重要だと言えるのではないでしょうか。
「ヒュンッッ」なのか「ダァーーー」なのか感覚は人それぞれですが、フレーズに使いたい各音程が実時間ではどれくらいの長さなのかによって都合のいいBPMが決まると言っても良いのではないでしょうか。
また、作りかけの曲のスピード感(ビート感)が望んでいたイメージ通りでなければ、例え曲が終盤であっても5BPMずつであっても調整することで欲しかった雰囲気に近づけられるのではないでしょうか。
〈リズムが人に与えている影響〉
ここでのリズムとはドラムが生み出す様なリズムではなく、人間が感じるリズムの話をしたいと思います。
人間は時間を軸に生活しており、1分という時間は音楽的に言うとBPM60になります。
そして人間は性格や状況などの様々な要素によって、時間感覚が変わると思います。
例えば私の場合他人に比べ、時間感覚が基本とても遅く、時間が経つのが緩やかであると自覚しています。
これは、普段遅めのBPMを体感していると言い換えても良いのではないでしょうか。
更に、私は昔からテンションを上げたい時にはアップテンポの曲を聴いており、速いBPMを感じられると高揚感を得る感覚があります。(逆に普段速い体内BPMの人の場合はゆったりとリラックスする為に音楽を聴くケースもあるはずです。)
つまり音楽はその時々の『今』にBPMを与る役割をするとも言えると思います。
これは、普段音楽を聴いていない時の体内BPMと比べた時に違いがある為、この様に影響されているのではないかという話です。
音楽を作る際その曲にどういうイメージを持って欲しいか、どんな雰囲気を与たいか、自分の曲にどのようなジャンルを取り入れたいか等には、このような視点から考えたBPM選択が作曲の幅を広げてくれるのではないでしょうか。
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